本研究の目的は、ハンギングドロップ法を用いた下垂体前葉細胞の3次元培養と濾胞星状細胞特異的にGFPタンパクを発現するS100b-GFP遺伝子改変ラットを組み合わせ、下垂体前葉の組織構築における濾胞星状細胞の役割を解き明かすことにある。本研究は、1)濾胞星状細胞がゴナドトロフで合成される基底膜成分ラミニンの放出に重要であること、2)濾胞星状細胞から分泌されるTGFb2が毛細血管の構成細胞である周皮細胞に作用してコラーゲン合成を調節していることを明らかにした。一連の研究により、濾胞星状細胞の新規機能が下垂体前葉の細胞外マトリックス調節であることがわかった。
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