研究課題
主としてオートファジー関連タンパク質Atg9Aとその相互作用因子の研究を引き続き行った。前年度同定したAtg9小胞上に局在するタンパク質Rab1について、そのオートファジーにおける機能を明らかにするために複数の手法を用いて解析を行った。Rab1には二種類のホモログ(Rab1AおよびRab1B)が存在する。それぞれについて培養細胞でsiRNAによるノックダウン実験を行いオートファジーへの影響を調べた。いずれにおいてもオートファジー関連タンパク質のp62とAtg9Aがオートファゴソーム形成部位で共局在し、集積した。一方でオートファゴソーム膜上に局在するLC3は、siRab1Bでは他の分子同様集積するもののsiRab1Aでは局在の度合いが弱かった。ウェスタンブロッティングによる脂質結合型(膜局在型)LC3-II量の解析でも同様の結果が得られた。これらのことからRab1AとRab1Bはオートファジーに異なる機構で関与していることが示唆された。このうちRab1Bについてさらに解析を行った。まず蛍光染色像では、集積したp62の周囲にAtg9Aの複数の輝点が局在していた。同処理の細胞を電子顕微鏡により観察したところ、p62の凝集体の周囲を伸長途中の隔離膜様の構造が複数取り巻いているのが観察出来た。以上の結果からRab1はオートファジーの形成に関与し、特にRab1Bは隔離膜形成の制御に関わることが明らかになった。以上の結果について学術会議で発表を行い、現在は原著論文を作成中である。
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https://www.juntendo.ac.jp/graduate/kenkyudb/search/researcher.php?MID=4852
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