• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実績報告書

巨核球・血小板分化における低酸素応答制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25860150
研究機関早稲田大学

研究代表者

金井 麻衣  早稲田大学, ナノ理工学研究機構, 招聘研究員 (30528526)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード細胞分化 / 巨核球 / 糖代謝 / 脂質代謝
研究実績の概要

<目的>本研究では脂肪組織由来前駆細胞から巨核球・血小板へ分化誘導できる系を用いて、巨核球・血小板への終末分化過程における酸素微小環境変化に応答した代謝リモデリングの意義を明らかする。
<研究成果>本年度は4種類のC57BL/6JJclマウス(野生型、HIF1αloxP/loxP、HIF2αloxP/loxP、PHD2loxP/loxP)の鼠径部皮下脂肪組織から分離した初代培養脂肪前駆細胞を用いて、以下の3項目を検証した。
(1)巨核球分化誘導に関与する代謝リモデリングの解析:分化誘導後経時的に細胞を回収し、糖代謝関連因子の発現量変化を解析した結果、ピルビン酸脱水素酵素キナーゼPDK遺伝子群が発現上昇した。またピルビン酸脱水素酵素複合体PDHの293・300番目のセリンのリン酸化量の上昇がみられ、糖代謝の分化への関与が示唆された。
(2)巨核球分化誘導における低酸素の影響解析:低酸素応答因子HIF-1α・HIF-2αによる巨核球への分化誘導効率の影響を組換えアデノウイルスにより過剰発現させた細胞を用いて解析した。HIF-2αを過剰発現させた場合のみ、巨核球細胞表面タンパク質CD41発現量および核の多倍体化が抑制された。一方、HIF1α、HIF2α、プロリン水酸化酵素PHD2、各遺伝子をノックダウンした細胞を分化誘導してもCD41発現量および核の多倍体化に変化は見られなかった。以上より、巨核球分化誘導におけるHIFの寄与は少ない可能性が示唆された。
(3)巨核球分化誘導におけるコレステロール代謝の影響解析:コレステロール代謝を司る転写因子SREBPの阻害剤を分化誘導と同時に添加すると、核の多倍体化に変化は生じなかったが、CD41の発現量が減少した。またSREBPのアイソフォームのうち、SREBP-1a/2の活性が細胞内のコレステロール濃度上昇を促し分化に寄与する可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] The regulation of in vitro megakaryocyte differentiation by hypoxia.2015

    • 著者名/発表者名
      Kanai M, Houkuwa K, Goda N
    • 学会等名
      私立大学戦略的研究基盤形成支援事業 「ストレス応答制御に基づく次世代健康寿命科学の研究拠点形成」第三回成果報告会
    • 発表場所
      東京(早稲田大学)
    • 年月日
      2015-03-06
  • [学会発表] 低酸素応答による巨核球分化機構の解明2014

    • 著者名/発表者名
      金井 麻衣, 法桑 かおり, 合田 亘人
    • 学会等名
      第37回分子生物学会年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2014-11-25 – 2014-11-27
  • [学会発表] マウス脂肪前駆細胞由来巨核球における脂質代謝を介した分化制御機構の解明2014

    • 著者名/発表者名
      法桑 かおり, 金井 麻衣, 合田 亘人
    • 学会等名
      第37回分子生物学会年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2014-11-25 – 2014-11-27

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi