哺乳動物の生殖細胞が正常に発生する上で、DNAおよびヒストンにおける厳密なエピゲノム調整が極めて重要であることがこれまでに報告されている。本研究では、ヒストン脱メチル化酵素であるFbxl10によるエピゲノム修飾が生殖細胞の発生および分化を制御する」との仮説を立て、ノックアウトマウスを用いてその検証を行った。その結果、Fbxl10を欠損したマウスでは加齢に伴い精子形成異常が亢進するとともに、精原幹細胞の分裂活性の低下が起こっていることが明らかとなった。以上の成果よりFbxl10は精原細胞の分裂活性を調整することで持続的な精子形成を制御するという新規の遺伝子機能モデルが示された。
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