本研究は、アレルギー症状のエフェクター細胞であるマスト細胞について、アレルギー物質の貯蔵庫である「分泌顆粒」の脱顆粒制御機構の解明を目指すものである。当初、その制御タンパク質としてProtein 4.1Rに注目していたが、詳細な機能解析には至らなかった。しかし研究の過程で、新たな分泌顆粒観察法を開発することができた。この方法は、マスト細胞の細胞質にGFPを発現させることで、分泌顆粒の陰性造影を行うものである。①細胞内のあらゆる分泌顆粒をもれなく観察できる②分泌顆粒の形態を高解像度で観察できる③細胞本体や核も同時に観察できるという利点があるため、この研究分野への大きな貢献が見込まれる。
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