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2013 年度 実施状況報告書

悪性腫瘍の分化度と概日リズム形成不全の関係

研究課題

研究課題/領域番号 25860179
研究種目

若手研究(B)

研究機関京都府立医科大学

研究代表者

梅村 康浩  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40612734)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードがん / 概日時計 / 細胞分化
研究概要

がん細胞の分化度とその体内時計形成度の相関関係を明確にするために、いくつかのヒトNeuroblastoma細胞株において、正常な概日リズムを刻むかを詳細に解析した。はじめに、時計遺伝子Bmal1のプロモーター下流にルシフェラーゼ発光レポーターを組み込んだものを用いて、発光強度の長時間観察を行い、その細胞の概日リズムを観察した。安定にレポーターを細胞のゲノムに組み込むために、メダカのトランスポゾンベースのベクターを用いて、安定発現株を樹立した。PMTを用いた多細胞レベルの測定において、正常な概日リズムを刻むヒト細胞(広く概日リズム研究で使用されているU2OS細胞)に比べ、明確な概日リズムを観察することは出来なかった。次に、一つ一つの細胞は、リズムを刻んでいるが、細胞間の同期が出来ていない可能性を考え、EMCCDカメラを用いた1細胞レベルで発光強度の長時間観察を行った。これらのFFT周波数解析の結果、当初の予想通り、明確な概日リズムを観察することは出来なかった。
次に、これらの細胞株を用いて、遺伝子発現を網羅的に調べた。その結果、驚くべきことに、これまでに報告のある多くの時計遺伝子群において、明確な発現量の差は示されず、概日リズム形成には、時計遺伝子群の発現レベルは、それほど重要でないことがわかった。これらのことから、新規時計遺伝子の存在や、時計遺伝子群の翻訳後修飾の変化などを詳細に検討する必要が考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

安定に発光レポーターを発現させることすら、難しい細胞も存在したため、概日リズムを測定出来ないものも存在したが、一部の細胞株において、それらを克服し、観察することができた。そのため、いくつかの結果を得ることができ、今後の研究を推進することが出来ると考えられたため。

今後の研究の推進方策

概日リズム破綻のモデル系として、ドキシサイクリン誘導性のMyc過剰発現細胞株を作製する。これは、Mycの発現量で、その悪性度をある程度評価できることが知られている概日リズム形成度と時計遺伝子群の発現、翻訳後修飾などを詳細に調べていく予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Prolonged bioluminescence monitoring in mouse ex vivo bone culture revealed persistent circadian rhythms in articular cartilages and growth plates.2013

    • 著者名/発表者名
      Okubo N, Minami Y, Fujiwara H, Umemura Y, Tsuchiya Y, Shirai T, Oda R, Inokawa H, Kubo T, Yagita K
    • 雑誌名

      PLos One

      巻: 8 ページ: e78306

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0078306

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Cell and tissue-autonomous development of the circadian clock in mouse embryos.2013

    • 著者名/発表者名
      Inada Y, Uchida H, Umemura Y, Nakamura W, Sakai T, Koike N, Yagita K
    • 雑誌名

      FEBS Lett.

      巻: 588 ページ: 459-465

    • DOI

      10.1016/j.febslet.2013.12.007

    • 査読あり
  • [学会発表] An in vitro ES cell-based clock recapitulation assay model identifies CK2alpha as an endogenous clock regulator.2013

    • 著者名/発表者名
      Umemura Y, Yoshida J, Wada M, Tsuchiya Y, Minami Y, Watanabe H, Kondoh G, Takeda J, Inokawa H, Horie K, Yagita K
    • 学会等名
      第86回日本生化学大会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20130913-20130913

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公開日: 2015-05-28  

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