組織の立体構造を保持した肺静脈標本に高速3次元共焦点顕微鏡法および微小電極法を適用し、細胞から組織レベルまでの総合的視点から、自発活動の発生および伝播機序を解明することを目指した。摘出肺静脈組織標本では自発活動が観察され、その発火頻度はnoradrenalineによって増大し、acetylcholineによって減少した。自発活動が見られない標本にnoradrenalineを作用させると静止膜電位の変化および局所的な細胞内カルシウムオシレーションに続いて自発活動が誘発された。以上の結果より、肺静脈心筋の自発活動は自律神経伝達物質により影響を受けることが明らかになった。
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