①PTRIMはPPARガンマーを細胞内においても直鎖状ポリユビキチン化することを解明。申請者は試験管内でPTRIMは直接直鎖状ポリユビキチン化を促進することを解明していたが、直鎖状ポリユビキチン化認識抗体を用いて細胞内ユビキチン化アッセイを行ったところ、細胞内においてもPPARガンマーを直鎖状ポリユビキチン化することを明らかにした。 ②脱ユビキチン化酵素による分解を受けないよう改変した直鎖状ユビキチン鎖が融合したPPARガンマーは転写活性化能を失うことを見出した。 ③PTRIMはPPARガンマープロモーター上へのRNAポリメラーゼIIリクルートを介し、PPARガンマー発現誘導及び脂肪細胞分化を促進することを解明。申請者はPTRIMノックダウン脂肪前駆細胞において、分化誘導時にPPARガンマーの発現量の上昇が抑制されていることを見出していたが、今回ChIPアッセイを行ったところPPARガンマーを誘導する転写因子のリクルートに変化はないもののRNAポリメラーゼIIのリクルート量が減少していることを明らかとした。したがって、PTRIMは転写因子によるポリメラーゼのリクルートの橋渡し機構に作用しているものと思われた。
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