研究課題
①TRIM23は脂肪細胞分化プログラムの早期過程には必須ではないが、後期過程において必須であることを明らかにした。②当初TRIM23はルシフェラーゼアッセイによってPPARガンマーの転写活性を正に制御する遺伝子として同定した。しかし、TRIM23導入時のルシフェラーゼ活性、ルシフェラーゼタンパク質量、ルシフェラーゼmRNAを詳細に検討した結果、ルシフェラーゼ活性とタンパク質量は増加していたが、ルシフェラーゼmRNA量は増加していなかった。また、TRIM23はルシフェラーゼタンパク質の安定性に対して影響を与えなかったことから、ルシフェラーゼアッセイによるTRIM23によるPPARガンマーの転写活性の促進は、ルシフェラーゼの翻訳を促進する活性を持つための人為的な結果であることが明らかとなった。一方、TRIM23は脂肪細胞分化に対しては必須の役割を持っていたことから、他のメカニズムの可能性を検討したところ下記の結果を得た。③TRIM23は脂肪細胞分化プログラム後期過程でマスター遺伝子として働くPPARガンマータンパク質を安定化することを明らかにした。④TRIM23はPPARガンマーをユビキチン化し、特に直鎖状ポリユビキチン化とK27ポリユビキチン化を促進することを明らかにした。⑤TRIM23によって修飾を受けたPPARガンマーは、プロテアソームによる認識を回避し分解を受けにくくなることを明らかにした。⑥以上より、TRIM23はPPARガンマータンパク質を直鎖状およびK27ポリユビキチン化修飾し、安定化を促すことで、脂肪細胞分化プログラム後期を円滑に進行させる役割を担っているものと思われた。
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