研究実績の概要 |
本研究の目的は、ヒトHO-1遺伝子エンハンサー由来長鎖ノンコーディングRNA(eRNAs)によるNrf2依存的HO-1遺伝子発現増強機構の解明である。この目的を達成するために、以下の実験を行った。 1.ヒトHO-1遺伝子制御領域由来のeRNAsの同定:前年度までに検出したeRNAに加え、ヒトHO-1遺伝子制御領域由来のeRNAsを複数個同定した。また、そのeRNAsの方向を決定し、様々な刺激による発現挙動をHeLa, HaCaT, SH-SY5Y細胞において検討した。 2.eRNAsの細胞内局在:見出したeRNAsの細胞内局在を検討した結果、核内に局在することを明らかにした。 3.eRNA E2-3のHO-1遺伝子発現増強における役割:前年までにeRNA E2-3を発現抑制すると、RNAポリメラーゼIIのHO-1遺伝子プロモーター領域への結合が減弱することを見出した。その作用機序を調べるために、HO-1発現増強に関与するBRG1, CBPのHO-1遺伝子領域への結合挙動を検討した。その結果、eRNA E2-3を発現抑制するとBRG1, CBPの結合が減弱することを見出した。
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