本研究では、コンディショナルノックアウトマウスを用いた解析から、低分子量G蛋白質Arf6が血管内皮細胞において腫瘍血管形成を制御することを明らかにした。また、Arf6は血管内皮細胞において、肝細胞増殖因子(HGF)依存的なbeta1 インテグリンのリサイクリングを制御することを示した。さらに、HGFシグナルにおいて、Arf6を活性化する因子としてArf6 GEFであるGrp1を同定し、Grp1-Arf6シグナルを薬剤により阻害することで腫瘍血管新生を抑制できることを示した。以上のことから、本研究によってArf6シグナル伝達系を新規血管新生阻害剤の標的として利用し得る可能性が示された。
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