• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実績報告書

精子幹細胞自己複製分裂におけるMyc遺伝子の役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25860210
研究機関京都大学

研究代表者

田中 敬  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40579265)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード幹細胞 / 生殖細胞 / 精子形成 / 精子幹細胞 / Myc
研究実績の概要

前年度までに見出したMyc欠損GS細胞の増殖能低下について解析を進めた。Myc欠損GS細胞に対してMAXと相互作用できないomomyc変異体を過剰発現しても増殖能は回復しなかったため、Mycによる増殖促進効果はMAX依存的に起こっていることが分かった。さらにMyc遺伝子の下流遺伝子としてCyclinDおよびCyclinEを同定した。
培養精子幹細胞を用いたMyc遺伝子機能解析の結果から、細胞周期を促進する遺伝子の発現を増加させて培養精子幹細胞の増殖を促進するMyc遺伝子の重要な役割が示された。この知見は試験管内培養法がまだ確立していない他動物の精子幹細胞培養に対してMyc遺伝子の導入が有効な可能性を示すものである。
以上の実験に加え、生体内精子幹細胞のMyc遺伝子機能を調べるためにc-myc欠損, N-myc欠損, c-myc/N-myc同時欠損精巣細胞の精子幹細胞頻度を移植アッセイを行った。c-myc欠損およびN-myc欠損ではコントロールの細胞と同じ頻度で正常な精子形成コロニーが観察された。これに対してc-myc/N-myc同時欠損の場合はコロニーの頻度はコントロールと変わらなかったものの、分化が著しく阻害されていた。さらに生殖細胞特異的にMyc遺伝子を欠損させるStra8-Cre/Mycコンディショナル欠損マウスを作成してこれを解析したところ、生殖細胞特異的N-myc欠損マウスでは正常な精子形成が観察されるものの精巣重量は顕著に減少していた。
以上よりMyc遺伝子が生体内でも精子幹細胞機能を支える重要な役割をもつことが明らかになった。これは原因が未だ分かっていないヒトの不妊症についてMyc遺伝子が関与している可能性を示すものである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Functional Differences between GDNF-Dependent and FGF2-Dependent Mouse Spermatogonial Stem Cell Self-Renewal.2015

    • 著者名/発表者名
      Takashima S, Kanatsu-Shinohara M, Tanaka T, Morimoto H, Inoue K, Ogonuki N, Jijiwa M, Takahashi M, Ogura A, Shinohara T.
    • 雑誌名

      Stem Cell Reports

      巻: 4 ページ: 489-502

    • DOI

      10.1016/j.stemcr.2015.01.010.

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi