研究課題
平成25年度の成果により、Oct4-GFP/Vasa-RFPダブルレポーターiPS細胞にNoboxとFiglaを強制発現させることによって、Vasa-RFP陽性細胞の出現が誘導されることが判明していた。そこで、Vasa-RFP陽性細胞に誘導効率の定量を実施した。Noboxの単独強制発現iPS細胞3株とNobox/Figlaの共発現iPS細胞5株について、Oct4-GFP陽性細胞コロニーに対するVasa-RFP陽性細胞コロニーの割合を計測したところ、遺伝子導入を行っていないiPS細胞では2.2%にあるのに対し、Nobox単独強制発現iPS細胞では12.1%、62.6%、13.6%、Nobox/Figla共発現iPS細胞では65.8%、52.4%、60.8%、34.9%、41.2%であった。このことから、Noboxの単独強制発現でもVasa-RFP陽性細胞の誘導効果はあるものの、Figlaとの共発現によって効果が増強されることが示唆された。次に、NoboxおよびNobox/Figlaの強制発現iPS細胞の分化誘導条件下での培養と遺伝子発現解析を行った。具体的には、胚様体形成培養やフィーダー細胞/LIF非存在下での接着を実施したところ、未分化条件下では観察されていたVasa-RFP陽性細胞が逆に消失し、体細胞系譜への分化が観察された。また、減数分裂マーカー遺伝子等の発現上昇も認められなかった。従って、NoboxおよびNobox/Figlaの強制発現iPS細胞ではVasa-RFP陽性細胞の出現頻度が上昇するものの、生殖細胞系譜へと完全には運命決定されていない準安定状態にあり、分化条件下では体細胞へと分化すると考えられた。
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