研究課題
生理活性脂質ロイコトリエンB4の高親和性受容体であうBLT1の樹状細胞における役割には不明な点が多い。申請者はこれまでに、独自に樹立した抗マウスBLT1単クローン抗体を用いて、樹状細胞にBLT1発現量の異なるサブセット(BLT1hi、BLT1lo)が存在する事を見出した。本研究では、BLT1の発現量の違いにより規定される新規樹状細胞サブセットの免疫応答における役割を明らかにする事を目的とし、研究を行っている。BLT1hiとBLT1lo樹状細胞における遺伝子発現プロファイルから、MetaCoreを用いて両サブセットで異なる活性化パターンを示す転写因子の推定を試みた。その結果、BLT1hiではCpG DNA刺激によって、AP-1、Oct-1、c-Rel、BLIMP1、IRF3が、BLT1loでは、AP-1、RelA、E2F1、p53、STAT3が活性化していると推定された。これらin silico解析で挙げられた経路が実際に活性化しているか、WBを用いて検討したところ、BLT1hiではp38 MAPKが活性化し、BLT1loではRelAが活性化されている事がわかった。さらに上流のどの部分からシグナル伝達経路の違いが生じているのか解析を進めたところ、CpG DNAの受容体であるTLR9の切断パターンからBLT1hiにおいてはendolysosomeにBLT1においてはendosomeにTLR9が局在する事が考えられた。現在、オルガネラマーカーとの共細胞内染色によりさらなる検討を進めている。BLT1floxマウスは当初、CAG-FLPe Tgとの交配がうまく行かなかったので、飼育施設を変更した。やっと繁殖がうまく行き始めており、今後各種CREマウスとの交配を進めて行く。
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Jounal of American Society of Nephrology
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