本研究において、SIRT1のS-ニトロソ化が老化に伴って起こる様々な生体の変化や病気の鍵となる共通のしくみであることを初めて明らかにしました。全身性炎症反応、パーキンソン病、サルコペニアのモデル動物と培養細胞を用い、炎症時における長寿遺伝子産物SIRT1のS-ニトロソ化と炎症の関連について調べました。その結果、急性炎症および慢性炎症によってSIRT1の働きが弱くなり、炎症や細胞死を起こしやすくなることを見出しました。さらに、炎症によって増加したSIRT1のS-ニトロソ化を、薬剤あるいは遺伝子操作によって減らすと、SIRT1の働きが戻り、炎症反応が部分的に抑えられることを明らかにしました。
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