研究課題
前年度に引き続き、あたらしいゲノム解析技術を応用した日本人集団からのサンプルの構造変異解析をすすめている。解析したCNV のデータをもちいて疾患に関連した構造変異の理解を深めるため、ケノム構造変異が想定される患者サンプルの解析も行っている。これらの病的なCNVの成因モデルや相互の関連を検討を開始している。データを収集し、染色体異常による疾患発生機序の理解に役立つことが期待される。また、技術発展によりコピー数変化の断端解析のために全ゲノム解析のデータを利用することが可能となった。これまでに解析したサンプルの一部について全ゲノム解析のデータを収集し、現在解析を継続中である。本研究で構築した日本人の構造変異データは、サンプル対象が基礎疾患だけでなく生殖や発生異常のない妊娠を経験したものに絞り込まれているため、これまでに公表されているヒトのBenignなコピー数変化とはべつに、流産や不妊や不育につながるリスク推定にも応用可能な重要な情報を提供できる。不育や流産でのCNV解析を実施しているグループと共同で、本研究で公開したデータを応用した解析を行っている。以上のように、日本人における構造変異の頻度情報を応用した基礎的研究と遺伝臨床の双方に多面的な貢献があったと考えている。
3: やや遅れている
染色体構造の解析に技術革新の成果がすすんでおり当初の予定と別に全ゲノム解析を用いたデータ解析を取り入れることにした。昨年報告したように、解析手法の変更によりその準備に時間がかかってしまった。現在は、当初予定していたようにアレイによった検出したCNVを再検討や詳細の解析をすすめているが、次世代シーケンサー解析データの検討は当初の予定とことなった手法であり時間がかかってしまっている。しかしながら、解析そのものはおおよそ終了しており、本年度にこれまでのデータをまとめ発表する予定である。
これまでに、本研究の特色である『正常』女性のサンプル収集やデータの収集はほぼ終了している。大量配列データのバイオインフォマティックス解析やその結果の妥当性の解析などには手法も確認できている。本年度には、これまでのデータの解析とそれらの結果の別の手法による確認作業をすすめデータをまとめていく。これらの解析が染色体異常による疾病の理解につながることを期待している。
本研究の遂行に必要なサンプルの収集、解析データの収集はおおむね順調にすすめられた。しかし、解析手法による結果のばらつきがあり、次世代シーケンサーによる全ゲノム解析による、より詳細な染色体構造解析を追加実施することとした。
次世代シーケンサーによる全ゲノム解析を行う。サンプルの調整および配列データの収集。収集されたデータのアノテーション・マッピングを行い解析を実施する。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)
J Hum Genet.
巻: advance online publication ページ: Epub
10.1038/jhg.2016.12
Gynecol Obstet Invest
巻: Epub ahead of print ページ: Epub
10.1159/000441780