研究課題/領域番号 |
25860264
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
新谷 裕加子 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30596961)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 心筋症 / デスミン / 質量分析 / 質量顕微鏡 |
研究概要 |
本研究では,心筋におけるデスミン沈着の同定と線維化機序の解明を行うために,まず,心筋症や正常心筋のホルマリン固定検体を用いて質量分析を行った.デスミンは正常な心筋細胞にも存在するため,デスミン心筋症における沈着物は免疫組織学的には目立たず,デスミン心筋症の診断は困難であった.しかし,2種類のイメージング質量分析法を用いることで,正常心筋,拡張型心筋症,肥大型心筋症と比較して,デスミン心筋症の心筋細胞により多くのデスミンが凝集,沈着していることが明らかになった.さらに,液体クロマトグラフィー分析も行い,デスミンのより正確な同定と,デスミンに対する酸化,アセチル化,リン酸化等の翻訳後修飾を検出し,デスミン心筋症に沈着するデスミンが正常心筋にみられるそれとは異なった状態であることが確認できた.以上の結果から,デスミン心筋症の診断に,イメージング質量分析法が非常に有用であることが判明した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
質量分析器を所有する施設と共同研究をすることにより,円滑に研究が進んだため.
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今後の研究の推進方策 |
今後,デスミン心筋症以外の心筋症や虚血性心疾患の心臓検体を用いて,生理的にデスミンの凝集あるいは沈着した領域を集め,同様の手法で,デスミンのイメージングやデスミンの修飾について検討していく予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
共同研究施設の装置を利用でき,物品等の支出が少なくできたため. 今年度から共同研究施設や利用機器が変わるため,消耗品などの物品購入が増えると考えられる.
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