研究課題
本研究は,心筋におけるデスミン沈着の同定と線維化機序の解明を行うことを目的とする.デスミンは正常な心筋組織にも多く存在するため,デスミン心筋症における沈着物と正常心筋組織に存在するデスミンを区別する必要がある.このために,まず,心筋症や正常心筋のホルマリン固定検体を用いてタンパク質の質量分析を行った.質量分析には位置情報を保った質量顕微鏡と高感度の液体クロマトグラフィー質量分析法の2種類の方法を用いて,デスミン心筋症の心筋細胞内に沈着するデスミンのイメージングに成功した.正常心筋や他の心筋症と比べても同一面積あたりに存在するデスミンの量が,デスミン心筋症では著しく高いことが証明された.デスミン以外の蛋白質についても検索したが,デスミン心筋症に特異的な蛋白質は確認できなかった.一方,デスミンには酸化,アセチル化,リン酸化などの翻訳後修飾が確認され,正常心筋に比べて心筋症全般においてデスミンのリン酸化が亢進していることが確認された.今後は,デスミンのリン酸化情報を用いて,デスミン沈着と線維化機序の検討を行う予定であるが,現在のところ症例の蓄積が待たれる状態である.
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (2件)
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