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2014 年度 実績報告書

脂質代謝とオートファジーに着目した乳腺アポクリン癌の代謝機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25860282
研究機関日本大学

研究代表者

渕之上 史  日本大学, 医学部, 助手 (10409021)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード乳癌 / アポクリン癌 / オートファジー / 脂質代謝 / p62 / PGC1alpha
研究実績の概要

【本研究の目的】
乳癌の代謝異常を解明することにより、従来鑑別困難であった病変の病理診断法の確立、および個別化治療のための新たな標的分子を探索することを目的とした。
【本年度の検討内容および研究成果】
1.アポクリン癌と非アポクリン癌の乳癌組織をもちい、免疫組織化学法(IHC法)によるPGC1α、p62発現検討と、RT-PCR法によるPGC1α、p62 mRNA発現量測定を行った。アポクリン癌は非アポクリン癌に対し、PGC1αの陽性率、mRNA発現量がともに有意に高かった結果より、乳腺アポクリン癌におけるミトコンドリアや脂肪滴の貯留には、PGC1α発現が関与する可能性が示された(IHC: p<0.01, mRNA: p<0.01)。また、アポクリン癌は非アポクリン癌に対し、p62の陽性率が有意に高かった一方、p62 mRNA発現量には差が見られなかった結果より、アポクリン癌におけるp62蛋白貯留が考えられ、アポクリン癌ではオートファジー不全が存在する可能性が示された(IHC: p<0.05, mRNA: p=0.63)。
2. さらにアポクリン化成細胞(良性)に対してIHC法によるPGC1α、p62発現を検索し、アポクリン癌との発現様式を比較した。アポクリン癌はアポクリン化生上皮に比べ、p62陽性率が有意に高かった(p<0.01)。この結果より、p62はアポクリン化生上皮とアポクリン癌の鑑別に有用である可能性が示された。
3. 乳腺アポクリン癌モデル培養細胞である、MDA-MB-453、MFM223をもちいたp62遺伝子のノックダウン実験を行い、BrdU法による細胞増殖能の評価を行った。p62 siRNA導入により、MDA-MB-453、MFM223におけるp62のmRNA、蛋白発現は抑制され、細胞増殖が有意に抑制された (MDA-MB-453: p<0.01, MFM223: p<0.05)。乳腺アポクリン癌培養細胞において、p62のノックダウンにより細胞増殖が抑制されたことより、p62はアポクリン癌細胞の治療標的となる可能性が示された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Overexpression of PGC1α and accumulation of p62 in apocrine carcinoma of the breast2015

    • 著者名/発表者名
      Fuchinoue F, et al.
    • 雑誌名

      Pathology International

      巻: 65 ページ: 19-26

    • DOI

      10.1111/pin.12235

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] molecular apocrine乳癌培養細胞は、p62ノックダウンにより細胞増殖が抑制される2015

    • 著者名/発表者名
      渕之上史
    • 学会等名
      第23回日本乳癌学会学術総会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム(東京都千代田区)
    • 年月日
      2015-07-02 – 2015-07-04
  • [学会発表] p62免疫組織染色をもちいた、乳腺アポクリン化生上皮とアポクリン癌との鑑別法の検討2015

    • 著者名/発表者名
      渕之上史
    • 学会等名
      第104回日本病理学会総会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(愛知県名古屋市)
    • 年月日
      2015-04-30 – 2015-05-02
  • [学会発表] 乳腺アポクリン癌におけるPGC1α, p62の発現検討2014

    • 著者名/発表者名
      渕之上史
    • 学会等名
      第103回日本病理学会総会
    • 発表場所
      ANAクラウンプラザホテル広島(広島県広島市)
    • 年月日
      2014-04-24 – 2014-04-26

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公開日: 2016-06-01  

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