我々は、MCM2高発現細胞においてフレンド白血病ウイルスタンパクであるgp70が存在すると、MCM2の核移行が阻害され、DNA損傷誘発アポトーシスを増強するという現象を見出した。本研究では、MCM2に対する細胞内抗体を用い、MCM2の核移行を阻害することによる、新たな癌治療モデルの作製を目指した。まず、ファージディスプレイ法用いて抗MCM2抗体の分離を行い、MCM2に特異的な抗体の分離に成功した。さらに、この抗体が細胞内でMCM2と結合し抗癌剤によるアポトーシスを増強することを確認した。さらに研究を進展させることにより、この抗MCM2細胞内抗体による治療は新規腫瘍治療モデルになると考えている。
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