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2013 年度 実施状況報告書

細胞融合の制御機構と腫瘍性多核巨細胞の形成メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 25860293
研究種目

若手研究(B)

研究機関名古屋大学

研究代表者

三井 伸二  名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80646505)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードCD109 / 骨芽細胞 / 破骨細胞
研究概要

α2-マクログロブリン/C3,C4,C5ファミリーに属するGPIアンカー型膜タンパク質CD109は,肺・口腔・食道・子宮頸部の扁平上皮癌,膀胱尿路上皮癌等で発現が増強していることが明らかとなっており,癌関連遺伝子と考えられている.一方で,非上皮性腫瘍におけるCD109の発現に関する報告は少ない.本研究では,すでに作製に成功したCD109ノックアウトマウスを用いて,非上皮性組織および非上皮性腫瘍におけるCD109の役割を検討した.
マウスより得た初代培養骨芽細胞および破骨細胞においてCD109が発現することを明らかにするとともに,これらの共培養を行った.骨芽細胞あるいは破骨細胞のいずれかがノックアウトマウス由来である場合に,破骨細胞の成熟を示す細胞融合および多核化が阻害されることが明らかとなり,CD109が破骨細胞の細胞融合に関与していることが示唆された.
また,初代培養細胞に加えて,非上皮性組織由来の細胞株を用いてCD109の機能解析を行うために,CD109を高発現する細胞株の同定を行った.骨芽細胞系細胞株として骨肉腫由来細胞株であるMG-63およびU-2 OSを,破骨細胞系細胞株としてRAW264.7を,その他,平滑筋肉腫由来細胞株SKNを用いて検討を行ったところ,MG-63およびSKNではCD109が高発現していることが明らかとなった.現在,これらの細胞株を用いて,非上皮性組織および非上皮性腫瘍におけるCD109の役割を解析中である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画に記載したように,CD109を高発現する細胞株の同定を行った.また,初代培養細胞においてCD109の欠失により細胞融合能が低下することが明らかとなり,今後その解析を行う予定である.
すでにCD109ノックアウトマウスを含めた生体を用いた解析も開始しており,おおむね順調に進展している.

今後の研究の推進方策

初代培養細胞を用いた検討により,CD109が骨芽細胞と破骨細胞の相互作用の結果生じる細胞融合および多核化に関わっていることが明らかとなったことから,今後はCD109ノックアウトマウスの解析を含む生体を用いた検討を進める.
また,CD109を高発現する細胞株を用いて,CD109が非上皮性腫瘍において果たす役割についても解析する予定である.

次年度の研究費の使用計画

本年度の研究はおおむね順調に進展しているものの,ヒト組織検体の入手に時間を要していることから,一部の免疫組織化学的解析において若干の遅れが生じているため.
ヒト組織の検討のため,パラフィンブロックの作製および薄切に利用する機器に加え,免疫組織化学的検討を行うための各種一次抗体および二次抗体の購入に使用する予定である.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Suppression of REV7 enhances cisplatin sensitivity in ovarian clear cell carcinoma cells.2014

    • 著者名/発表者名
      Niimi K, Murakumo Y, Watanabe N, Kato T, Mii S, Enomoto A, Asai M, Asai N, Yamamoto E, Kajiyama H, Shibata K, Kikkawa F, Takahashi M.
    • 雑誌名

      Cancer Sci.

      巻: 105 ページ: 545-552

    • DOI

      10.1111/cas.12390

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Mycobacterium tuberculosis escapes from the phagosomes of infected human osteoclasts reprograms osteoclast development via dysregulation of cytokines and chemokines.2014

    • 著者名/発表者名
      Hoshino A, Hanada S, Yamada H, Mii S, Takahashi M, Mitarai S, Yamamoto K, Manome Y.
    • 雑誌名

      Pathog Dis.

      巻: 70 ページ: 28-39

    • DOI

      10.1111/2049-632X.12082

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Detection of a soluble form of CD109 in serum of CD109 transgenic and tumor xenografted mice.2014

    • 著者名/発表者名
      Sakakura H, Murakumo Y, Mii S, Hagiwara S, Kato T, Asai M, Hoshino A, Yamamoto N, Sobue S, Ichihara M, Ueda M, Takahashi M.
    • 雑誌名

      PLoS One.

      巻: 9 ページ: e83385

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0083385

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The REV7 subunit of DNA polymerase zeta is essential for primordial germ cell maintenance in the mouse.2013

    • 著者名/発表者名
      Watanabe N, Mii S, Asai N, Asai M, Niimi K, Ushida K, Kato T, Enomoto A, Ishii H, Takahashi M, Murakumo Y.
    • 雑誌名

      J Biol Chem.

      巻: 288 ページ: 10459-10471

    • DOI

      10.1074/jbc.M112.421966

    • 査読あり
  • [学会発表] 癌関連タンパク質CD109の新規血清腫瘍マーカーとしての可能性の検討

    • 著者名/発表者名
      三井 伸二,坂倉 寛紀,村雲 芳樹,市原 正智,高橋 雅英
    • 学会等名
      第102回日本病理学会総会
    • 発表場所
      ロイトン札幌 (札幌市)
  • [備考] 腫瘍病理学講座HP

    • URL

      http://www.med.nagoya-u.ac.jp/patho2/main.html

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公開日: 2015-05-28  

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