本研究は、炎症組織で発現が上昇するNotchリガンド、及び免疫細胞の発現するNotch受容体の中でどの分子が、接着分子として機能するかを解明することを目的とした。その結果、Notchリガンド(Dll1、Dll4、Jagged1、Jagged2)が、Notch1とNotch2受容体を介して、接着分子として機能することを明らかにした。更に、Notchが種々の免疫細胞に共通の接着分子となり得ること、及び、各Notchリガンドでの接着の反応性を制御する機構の存在を示した。以上の結果から、免疫細胞の浸潤抑制を標的とした種々の炎症性疾患の治療において、Notchが新たな標的として有効な可能性が示された。
|