研究課題
若手研究(B)
(1)インフルエンザウィルス感染に伴うヒストン化学修飾による気道上皮細胞・マクロファージの生体機能ならびにSETDB2の発現機構を明らかにする→H3K9me抗体を用いてChromatin immunoprecipitation (ChIP)法を行い、現在、Chromatin immunoprecipitation-sequencing (ChIP-seq)法により、気道上皮細胞におけるインフルエンザウィルス刺激後のSETDB2によるヒストン修飾や転写因子のクロマチン上での局在を解析中である。(2)インフルエンザウィルス感染モデルにおけるヒストン化学修飾解析を行う→マウスにインフルエンザウィルス肺炎を誘導し、肺組織におけるSETDB2の発現をIn situ hybridization法により検索した所、気道上皮細胞ならびにマクロファージに認められ、SETDB2が誘導されないIFN-αRノックアウトマウスではSETDB2の発現が明らかに低下していた。(3)インフルエンザウィルス肺炎死亡例の剖検肺組織でのヒストン化学修飾解析を行う→ミシガン大学病理学との提携により、インフルエンザウィルス肺炎死亡例の剖検肺組織の供与を受け、そのサンプルを用いてヒストン化学修飾に関与する抗体(H3K9me, SETDB2等)を用いて、免疫染色を行ったところ、マウスと同様の結果が、剖検肺を用いた検討でも得られた。(4)SETDB2ノックアウトマウスの作成→SETDB2ノックアウトマウスの作成は胎生致死する事が分かり、SETDB2-floxマウスの供給をミシガン大学から受ける事になった。
2: おおむね順調に進展している
(1)ChIP法は確立されるも、ChIP-seq法による解析結果がまだ出ていない。ただし、もうシークエンサーによる解析は始まっており、数ヶ月中には解析結果が出る予定である。(2)マウスならびに剖検肺における解析はおおむね計画通りに進んでいる。
SETDB2-floxマウスとLysM-Creマウスを交配させ、マクロファージ特異的にSETDB2が欠損したマウス(SETDB2flox-LysMCre)を作製する。さらにはAdenovirus-Creの気管内投与を行い、気道上皮細胞特異的にSETDB2が欠損したマウスを作製する。この両者を用いて、病理組織・肺内炎症細胞分画・サイトカイン産生量を調べ、マウス肺におけるウィルスならびに細菌保有量を定量する。またヒストン修飾(特にH3K9meやSETDB2)に対するターゲット酵素阻害剤を用いて、同様の検討を行う。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (3件)
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