インフルエンザウィルス感染症は二次感染を併発すると死亡率は飛躍的に上昇する。そこで二次性細菌性肺炎の感受性を規程する因子を明らかにする事を目指して研究を行った。インフルエンザウィルスによりH3K9のメチル化(転写抑制)を誘導する酵素の一つであるSET domain, bifurcated 2 (SETDB2)の有意な上昇を認めた。SETDB2はTNFのシグナル伝達におけるTRAF2ならびに、気道上皮から産生され肺の修復や恒常性の維持に重要なAmphiregulinを制御することが示唆された。今後インフルエンザウィルス感染症に対する分子基盤解明に基づく新規予防・治療法開発への貢献が期待される。
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