2つの転写因子FoxO1とFoxO3aがカロリー制限(CR)による抗腫瘍効果と寿命延長効果を、それぞれ独立に制御している可能性があるが、標的遺伝子群はほぼ共通しており、特異的に制御されている遺伝子はほとんどわかっていない。両転写因子によってそれぞれ特異的に制御されるCRの抗腫瘍効果と寿命延長効果に関連する遺伝子群をマイクロアレイ解析により特定した。特にFoxO3a欠損はミトコンドリア関連遺伝子に影響を与えており、実際のCR下のFoxO3a欠損マウスのミトコンドリアの生理機能にも異常が観察された。このことはFoxO3aによるミトコンドリア制御がCRの抗老化効果に重要であることを示唆している。
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