肺気腫の原因である蛋白分解酵素活性上昇と肺胞上皮アポトーシスを結び付ける分子機序は不明であった。肺胞上皮の接着分子CADM1の機能的制御に細胞外切断(shedding)がある。ウエスタン法にて肺気腫ではsheddinが亢進し、TUNEL法にて肺胞上皮アポトーシスの上昇が判明した。ヒト肺上皮細胞株NCI-H441細胞においてCADM1のsheddingを惹起させた所、shedding産物であるαCTFがミトコンドリアに局在し、アポトーシスが上昇することを見出した。肺気腫ではCADM1のsheddingが亢進し、αCTFがミトコンドリアに集積して肺胞上皮アポトーシスを促進していると考えられた。
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