研究課題/領域番号 |
25860304
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
研究機関 | 公益財団法人東京都医学総合研究所 |
研究代表者 |
種子島 幸祐 公益財団法人東京都医学総合研究所, 生体分子先端研究分野, 主任研究員 (20507678)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 炎症 / CXCL14 / CXCR4 / CXCL12 |
研究概要 |
CXCL14ノックアウトマウスでは、肥満で誘導される脂肪組織の慢性炎症と全身のインスリン抵抗性が緩和される。そのシグナル経路は未解明であったが、CXCL14がケモカインレセプターの一つCXCR4に結合し、CXCR4アンタゴニストとして働くことを初めて見いだした。本研究では、CXCL14のCXCR4への作用を詳細に解明することにより、インスリン抵抗性を増悪する慢性炎症反応の進展の仕組みを解明することを目標とする。本年度はCXCL14のCXCR4アンタゴニストとしての効果の生化学的な解析をすすめた。CXCL14は、CXCR4に結合し、CXCR4の細胞表面から細胞内へのinternalizationを誘導することにより、CXCL12活性を阻害する事を明らかにした。また、CXCL14のC末端部分がCXCR4結合に必須であり、C末端部分をダイマー化した合成ペプチドが、CXCL14と同様のCXCR4阻害活性を示し、新しいタイプのCXCR4アンタゴニストである事を明らかにした。これらの結果を2報の論文にまとめ、発表した。CXCL14ノックアウトマウスの解析では、脂肪組織を用いたRT-PCRにより、炎症性マクロファージと拮抗して抗炎症性作用を示すM2マクロファージのマーカー(CD206)が上昇している事が明らかとなり、現在は高脂肪食により肥満を誘導したCXCL14ノックアウトマウスで、このようなM2マクロファージマーカーの上昇が見られるかどうかについて検討を行っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
未解明であったCXCL14シグナル経路を生化学的に解析した事で、今後の研究の基盤となるCXCL14の作用機序が解明された。また、これらの成果をまとめ論文発表することができた。
|
今後の研究の推進方策 |
今後はCXCL14/CXCR4シグナル経路のin vivoでの役割を解明するため、現在確立しているCXCR4ノックアウトライン等を活用し、研究を進める。
|
次年度の研究費の使用計画 |
当初予定の消耗品購入時に端数が生じたため、次年度に繰り越す。 次年度の消耗品購入費と合わせて使用する。
|