近年の大規模なトランスクリプトーム解析によりゲノムの多くの領域から蛋白質をコードしないRNA(lncRNA)が転写されていることが明らかになってきた。本研究では炎症性サイトカインの発現制御に関わる新規lncRNAを同定し、その分子機構の解明を目指した。lncRNAはIL-6やGM-CSFといった炎症性サイトカインの発現誘導にきわめて重要であり、細胞質に局在することでNF-kappaB非依存的な炎症性サイトカインの発現制御に関与する可能性が強く示唆された。さらに、lncRNAの生理的な意義を明らかにするためにlncRNA遺伝子改変マウスの作製に成功した。
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