ボツリヌス神経毒素はヘマグルチニン(HA)を含む複数のタンパク質分子からなる複合体として存在し、神経毒素の抗原性などによりA-Gの7つの血清型に大別される。C型HAはある種の上皮細胞の形態変化を引き起こし、細胞増殖を抑制する活性を有するが、その分子機序は不明であった。本研究では、C型HAが細胞膜上のガングリオシドのシアル酸に結合することにより、活性を示すことを明らかにした。また、C型HAはガングリオシドのなかでも、GM3とa経路のガングリオシドを特異的に認識し、これらのなかでもGM3が活性を発揮するために必須であることが明らかとなった。
|