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2014 年度 実績報告書

百日咳菌の環境適応戦略:単一塩基リピート長に影響を与える因子の解析

研究課題

研究課題/領域番号 25860328
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

大塚 菜緒  国立感染症研究所, その他部局等, 主任研究官 (90596610)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード百日咳菌 / fimbriae / 発現
研究実績の概要

百日咳菌Bordetella pertussisの線毛 (fimbriae, fim)は百日せきワクチンの抗原として重要なタンパク質である。Fimをコードする遺伝子(fim2, fim3 および fimX)は、そのプロモーター領域にCが連続する特徴的な poly(C)配列(Pfim polyC)を含んでおり、このpoly(C)長がfim 遺伝子発現のON/OFFに関与することが知られている。平成26年度は、昨年度に新たに構築した解析手法を用いて、抗菌薬のfim発現に対する影響と、これまで一致した見解が得られていなかったfim3遺伝子発現機構について検討した。
1. 百日咳菌をsub-MIC濃度(0.01 ug/ml)の各種抗菌薬を含むBG培地で培養した。PCR/LDR法によりPfim poly(C)長の変化を測定し、またELISAにてFimタンパク質の産生量を比較した。その結果、抗菌薬によるfimの発現・産生に影響は認められなかった。
2. これまで、fim2遺伝子は2成分制御系BvgASが働く環境(Bvg+)で発現することが示されてきたが、fim3遺伝子に関してはBvg+で発現するか、BvgASが働かない環境(Bvg-)で発現するかについて一致した見解が得られていなかった。本研究では各種血清型に分類される百日咳菌臨床分離株14株を用いて、Bvg+/-環境下におけるfim2およびfim3遺伝子発現・タンパク質産生を調べた。Fim2株ではBvg-環境下でfim3遺伝子発現が有意に上昇することが新たに確認されたが、ELISAではFim3タンパク質の産生が検出されなかった。Pfim3 poly(C)長を解析したところ、fim3遺伝子の発現・タンパク質産生はプロモーター領域のpoly(C)長により厳密に制御されていることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Molecular epidemiology of Bordetella pertussis in the Philippines in 2012-20142015

    • 著者名/発表者名
      Galit SR, Otsuka N, Furuse Y, et al.
    • 雑誌名

      Int J Infect Dis

      巻: 35 ページ: 24-26

    • DOI

      10.1016/j.ijid.2015.04.001

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Bordetella pertussis fimbriae are regulated by BvgAS system and Pfim structure2015

    • 著者名/発表者名
      Nao Otsuka, Valerie Bouchez, Keigo Shibayama, Kazunari Kamachi, Nicole Guiso
    • 学会等名
      第88回日本細菌学会総会
    • 発表場所
      岐阜県岐阜市
    • 年月日
      2015-03-26 – 2015-03-28

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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