国民の多くが罹患するアレルギー疾患は、免疫系のアンバランスが原因の一端であり、その対策は急務である。特にヘルパーT細胞(Th)はアレルギー発症および生体防御の両面で重要な役割を果たす。我々は、Th細胞の機能がポリコームやトライソラックスというタンパク質が特定の遺伝子領域に結合し、空間的相互作用することで調節されることを提唱している。本研究は、ポリコーム分子Ezh2がアレルギー発症のブレーキ役を担うこと、並びにトライソラックス分子Meninがステロイド抵抗性喘息発症の鍵となることを見出した。今後は、これらの研究結果のアレルギー疾患治療への応用の可能性を模索したい。
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