我々をとりまく環境には多種多様の微生物が存在するが、その全てが生体に病害を惹起するものではなく、生体は何らかの病原菌/非病原菌の識別能力を有していると考えられる。しかし、その識別のメカニズムは明らかになっていない。本研究では、御性サイトカインであるインターロイキン10(IL-10)の病原菌/非病原菌の識別機序への関与について検討した。その結果、腸炎を起こすタイプの菌株(C.roudentium)よりも非病原菌(Nissle 1917)のほうが、IL-10を誘導する能力が高い事が分かった。さらに、この能力は死菌ではみとめられず、非病原菌の活動性が関与する事が示唆された。
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