我々は近年、未熟T細胞において抗原刺激に伴い強くリン酸化されるセリンスレオニンキナーゼPKDを見出し、T細胞特異的PKD欠損マウスを作製したところ、CD4+T細胞が特異的に消失していることを発見した。当該マウスを用いてPKDの基質を探索することで、未だ明らかとなっていないCD4+/ CD8+T細胞への運命決定の分子メカニズムの解明を目指した。PKD欠損細胞では、TCRシグナルが減弱しており、CD8+に比べCD4+T細胞への分化がより影響を受けていた。また、未熟T細胞におけるPKDの基質分子を数種類同定し、そのうち1種類の分子のPKDによるリン酸化がT細胞分化に寄与することを示唆する結果を得た。
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