研究課題
若手研究(B)
1)医療・介護機能から考えた理論的なサービス提供圏の算出統計調査,web文献調査(厚生労働省資料,wamネット等),行政へのヒアリング調査によって医療・介護の諸施設の整備状況および規模(ベッド数),訪問介護・医療等のサービス提供体制等の総量把握と,医師・看護師,介護師などの人的資源の把握を行った.医療・介護資源量データを地理情報システムに取り込み視覚化したデータと,対象地域の居住地データ(都市計画基礎調査データ,国勢調査基本単位区別集計など)を参照し,サービスまでのアクセシビリティ(利用者がサービスに到達するまでの物理的な道路距離),サービスまでの距離帯ごとの居住者数(例:内科診療まで200mの距離帯に1,500人が居住している)を把握した.これにより,地域全体の医療・介護サービスの理論的なサービス提供圏を明らかにした.なお分析においては,対象地域を栃木県とし分析を行っている.本分析により,サービス到達距離の多寡をサービスの過不足と読み解き,対象地域の実情に沿った,必要な診療種別,診療科数,介護サービス提供方法を模索している.並行して,介護保険利用者の実態を報告資料,アンケート調査により把握した.医療サービス利用実態,介護サービス利用実態,生活実態(買い物,食事,就業など)を把握している.医療サービスの利用実態に関しては, 対人口あたりの受領者数を用い仮想的な診療行為を算定した.また高齢者のみならず,地域によっては,農業,工業,観光業といった地域が抱える産業が,生活に与える影響が大きいと考えられる.そのため地域の産業構造を併せて把握した.
2: おおむね順調に進展している
データの取得,分析について,滞りなく進んでいる.
H25年度の結果を受け,以下の2段階を進める.2)将来人口推計値を用いたニーズ予測:平成26年度前半1)の分析で把握した理論的なサービス提供圏に,将来人口推計値を算入し,現状のサービス基準から予測される将来のサービス水準を算出する.試算結果より医療・介護サービスの過不足,運営人員の過不足等を分析し,将来的な医療・介護サービスの提供体制を検討する.3)利用実態の反映と医療・介護サービス提供体制の総合的検討:平成26年度後半上記までの分析は,整備された医療・介護サービスを基点とする理論的なサービス提供圏である.ここに地域の生活実態や産業構造のデータ,対象地域の医療・介護政策資料(ヒアリング調査等から取得)を付与し,提供体制,将来的なニーズ予測,行政の施策の3つの観点から,10,20,30年後各時点でのサービス必要量を算出し,その提供体制を検討する.算定結果は,当該行政(市区町村,都道府県レベル)とのワークショップや意見交換を通じフィードバックを行い,政策展開可能な実現率の高い医療・介護サービスの総合的なマネジメント手法確立に向けとりまとめを行う.また他地域への応用可能性を高めるため,数値の指標化やモデル化を行う.
すべて 2013
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)
日本建築学会計画系論文集
巻: 691 ページ: 1965,1972
International Conference on Industrial Engineering and Management Science
巻: ISBN: 978-1-60595-129-4 ページ: 374-380