研究課題
本研究は,超高齢社会に向かう我が国の地方都市・農山村における持続可能な医療と介護サービスのあり方を検討するものである.この度の大震災に伴い,ことに東北地方の人口分布には大きな変動が見られ,もともと脆弱であった医療・介護サービスの提供基盤は大きな転換を迫られている.本研究では,利用者の観点から医療と介護のサービスの機能や立地をアクセシビリティ(到達しやすさ),地域の生活構造,人口動態等の現状と将来予測,医療・介護ニーズとその変動予測,等の分析により定量的に評価する手法を開発し,必要とされる医療・介護サービスの種別と量その将来推計を示した上で,総合的な医療・介護提供体制のマネジメント手法を示すものである.当該年度においては,以下の2項目について研究を行った.2)人口推計値を用いたニーズ予測:将来的な人口減少や超高齢化を考慮し,将来人口推計値を用いた理論的なサービス提供圏内の利用者数を算出した.これにより,拡大・縮小を検討しなければならない医療・介護施設の様相をとらえた.3)サービス利用者の実態反映と政策展開:データを用いた理論的な解釈に加え,対象地域において,医療・介護サービス提供者の行動調査を行い,具体的な利用圏を把握した.また,医療・介護施設の将来的な整備網を分析するため,対象地域の医療・介護政策を分析した.さらに地域の生活・産業構造のデータを付与し,対象地域の具体的な問題を顕在化し,施設整備,人材・財政支援,制度設計に向けた基礎的な知見を得た.
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件)
日本建築学会計画系論文集
巻: No.702 ページ: 1783-1790,