医療事故被害者・家族に対する対事故後の意識調査の結果,127件の回答を得た。被害者・家族が弁護士に相談した理由は,「納得のいく説明がなかった」が46件と最多で,以下,「責任を認めなかった」(13件),「受けた診療の質を知りたかった」(10件),「経済的な補償を求めたかった」(5件)であった。事故後説明の有無について,「説明はなかった」と「あったが不十分であった」の合計は102件であり,医療機関側の説明が不足している可能性が示唆された。説明不足については,海外の先行研究でも指摘されているところ,本研究により,我が国でもその傾向があることが明らかにされた。
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