研究課題/領域番号 |
25860386
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
研究機関 | 兵庫医療大学 |
研究代表者 |
森 明子 兵庫医療大学, リハビリテーション学部, 講師 (90461243)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 患者講師 / 学内教育 / 教育方法 |
研究概要 |
【目的】患者講師による講義や実技体験を盛り込んだ招聘授業が学内教育に及ぼす効果を検討することである。 【対象授業時間】研究1:臨床実習経験が乏しい3年次生44名を対象とした神経系理学療法学実習の2コマを用いて脳卒中の患者講師による招聘授業を実施した。研究2:臨床実習経験が乏しい2年次生45名を対象とした神経系理学療法学の2コマを用いて頸髄損傷の患者による招聘授業を実施した。 【実施方法】患者講師による授業日の2週間前に「患者講師に講義に来て頂く」ことを学生に伝え、教員から映像を盛り込んだ患者講師に関する疾患の講義を行うとともに、学生を7~8名のグループに分け、グループ毎に担当する理学療法評価項目を割り当てた。当日は、初めに、医療を受ける立場からそれまでの体験を通じて感じたことなどを講義形式で話して頂き、その後、理学療法評価の実技を実施した。講義終了後、学生に対するアンケート調査を実施した。 【結果と考察】学内教育では伝えられない患者イメージの理解や、臨床場面の緊張感・臨場感の経験、臨床的な知識や技術の習得の重要性への気づき、自発的な実技練習の促進についてはポジティブな意見が認められ、患者講師による招聘授業の効果と考える。その一方、患者講師に対する理学療法評価の経験が個々の学生にとっては一面的な限定されたものとなったことより、臨床的な知識や技術が身につくには至らず、学習充実度は高くならなかったものと考える。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は異なる疾患をもった患者講師による招聘授業を2回実施しデータ収集も順調に進んでいる。次年度でも引き続き患者講師による招聘授業を複数回実施する予定であり、現在患者講師との調整を進めている。
|
今後の研究の推進方策 |
(1)患者講師による招聘授業が学内教育に及ぼす効果について調査を継続する。 (2)研究期間中に得られたデータをまとめ、これまでの研究成果と合わせて関係学会への発表を行う。
|
次年度の研究費の使用計画 |
今年度は患者講師を遠方より招聘することを想定していたが近隣在住の方を招聘することができたこと、次年度に複数の関連学会への参加・発表を予定(日本理学療法学術大会、日本医学教育学会大会、全国リハビリテーション学校協会主催教員研究大会)しているため次年度使用額が生じる結果となった。 患者講師招聘に係る謝金や交通費、打ち合わせ会議関連費用、各種物品の購入、データ整理に必要な人件費、国内学会への参加・発表、国際学会(World Confederation for Physical Therapy)での発表準備を予定している。
|