研究課題/領域番号 |
25860386
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研究機関 | 兵庫医療大学 |
研究代表者 |
森 明子 兵庫医療大学, リハビリテーション学部, 講師 (90461243)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 患者講師 / 学内教育 / 教育方法 |
研究実績の概要 |
【はじめに】学内教育において、臨床場面を想定した様々な教育方法が導入されているが、学生にとって患者イメージを掴むことや、臨床場面のような緊張感・臨場感、日々の学習や技術習得の重要性を経験することは困難である。これらの困難さを軽減するために、患者講師による招聘授業を行っている。しかし、学内教育では1人の患者講師に対し、40名以上の学生が受講生となるため多面的な関わりの機会が非常に乏しくなることが明らかとなった。そこで招聘授業の実施方法の工夫を試みたので報告する。 【授業対象時間】研究4:それまでの臨床実習はほぼ見学のみで、臨床実習経験が乏しい本学6、7期生の2年次後期の神経系理学療法学2コマを用いて実施した。 【実施方法】患者講師による招聘授業前には、教員から患者講師に関する疾患の講義を映像を盛り込みながら行った。6期生には当日実技で担当する理学療法評価項目を事前に割り振っていたが、7期生には評価項目の提示のみとし実施直前に担当する項目を割り当てた。当日は、医療を受ける立場からそれまでの体験を通じて感じたことなどを講義形式で患者講師に話して頂き、その後、学生に理学療法評価の実技を実施した。講義終了後、学生に対するアンケート調査を実施した。解析については6、7期生より得られた結果を比較検討した。 【結果と考察】患者講師に対する多面的な関わりをするための授業実施方法の工夫により、実技練習時間が増え、必要な技術が身についたとポジティブな意見が増加していた。また「自分自身が成長したと感じた」「学習充実度が高かった」と学習全般に関する満足度、達成度も増加しており、招聘授業の実施方法の改善による効果と考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年12月より産前産後休暇、育児休業の取得に伴い補助事業を中断したが、データ収集は終了しており、順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
(1)平成25~27年度で得られたアンケート調査をもとに、患者講師による講義や実技体験を盛り込んだ学内教育プログラムが学生に及ぼす教育的効果について明らかにする。 (2)本研究内容について、得られた最終結果を取りまとめ関連学会にて発表予定である。また学術雑誌への論文投稿を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
妊娠中の体調不良、産前産後休暇、育児休業取得により積極的な学会発表や最新の知見を収集する機会を設けることが困難であったため、次年度使用額が生じる結果となった。
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次年度使用額の使用計画 |
物品の購入、国内学会への参加・発表、論文投稿掲載関連費での使用を予定している。
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