研究計画・方法に示した基準に該当する症例を蓄積している段階である。また、同時にTNF阻害薬を使用した症例(約700症例)における解析を進めている。研究の目的として、「健常人と同様の生産性をもち、関節リウマチ治療での迅速な1年での寛解到達」としており、迅速に効率的に寛解に到達することにより、休職や就業制限からの復帰を短期間で可能にし、労働力の確保しいては生産性の向上に繋がると考える。当院公衆衛生学教室において統計学的手法を指導していただき、10年間の使用実績期間をインパクトのある期間に層別解析(3群)を行い、TNF阻害薬導入時の患者背景(年齢・性・罹病期間・疾患活動性・血液検査値など)など解析を行っている。また、TNF阻害薬の寛解後休薬についても着目しており、寛解後にTNF阻害薬を休薬する期間を可能とする意義は、TNF阻害薬は高価であり医療経済的負担の軽減もあるが、高額医療を払い続ける患者の精神的負担からの解放を意味し、労働意欲を高めると考える。寛解後休薬症例の蓄積も同時に行っており、現在約100症例の解析を行っている。寛解後休薬症例において、休薬後寛解を維持できている症例と維持できていない症例について、TNF阻害薬導入時・休薬時・休薬後1年時・2年時における因子(罹病期間・血液検査値・疾患活動性・関節破壊進行度(modified Sharp法による骨びらんスコア・関節裂隙狭小化スコア、総スコア)など)について解析を行っている。
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