本研究では、医療上の意思決定を支える情報提供の試みである「意思決定支援ツール(Decision Aid;以下、DA)」に着目し、日本のがん医療における活用のあり方を検討した。介入研究のレビューから、DAの効果は全般に高く示されていた。一方、End of Life分野のDAについて内容や質の評価を行った結果、作成過程やエビデンスに関する情報は限られているものが多かった。今後、がんの臨床でのDAの作成・普及に際しては、多職種での専門家や患者でチームを編成した上で、DAの目的やアウトカム設定を含めた十分な議論を行い、活用の効果に関する継続的な検証が求められる。
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