研究課題
若手研究(B)
社会の高齢化、生活習慣の欧米化に伴い、動脈硬化性疾患は増加しており、発症前もしくは発症早期に診断・適切な治療を行うことが求められている。プラークが破綻すると心血管疾患や脳血管障害が起こり危険であるため、動脈硬化では、プラークの存在より性状が問題とされる。性状により、安定プラークと不安定プラークに分けられ、不安定プラークは炎症細胞・脂質に富み、被膜が薄いという特徴を持つ。プラークに浸潤した炎症細胞から細胞外マトリックス分解酵素(MMP)が分泌され、被膜の主な構成成分であるコラーゲンの分解が進むと、プラークが破綻し、血栓閉塞を起こす。本研究では、不安定プラークの特徴であるMMPをターゲットとした新しい動脈硬化診断技術を開発を目指す。最近、目覚しく進歩している蛍光蛋白技術であるFRET(Fluorescence Response Energy Transfer:蛍光エネルギー共鳴移動)法を利用し、MMPをターゲットとした動脈硬化標的化リポソームを作成し、プラーク内に到達させ、in vivo imagingを用いて検出することを目標とする。平成25年度は、細胞外マトリックス分解酵素(MMP)により分解される基質となるタンパクを合成、FRET法を利用したシグナルの表出を目標として、研究を行った。
3: やや遅れている
これまでにリコンビナントタンパクの作成についての経験もあったが、やはりタンパクによっては、その発現効率が十分ではなく、時間を要している。
リコンビナントタンパクの作成、蛍光基の標識などに時間がかかるようであれば、代替策として検討していた方法への転換も検討する。
予定していた研究において、一部、うまく進行しない個所があり、そのために全体の計画が遅延したため。前年度の研究計画において、うまくいかなかったか所については、代替案を検討している。代替案を用いた場合は、比較的容易に研究の進行ができると考えるものの、費用としては当初の計画よりかかる可能性がある。しかし、研究全体の進行において必須の部分と考えるため、十分な検討を行いながらも、研究を遂行したいと考えている。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
Exp Cell Res.
巻: 323 ページ: 263-75
10.1016/j.yexcr.2014.03.002.