研究課題
若手研究(B)
平成25年度は大腸癌原発巣・肝転移巣サンプル収集およびGenetic/Epigenetic解析を行った。特に原発巣切除施行されたStageII・IIIかつ術後3年以上経過している症例およびStageIVを中心にGenetic/Epigenetic解析を行っており、MGMT遺伝子に関しては解析を終了した。MGMT発現を認める大腸癌細胞株を用いたO6BGの抗腫瘍効果の検討では,RKO、HT29を対象に(HCT116/SW48/SW480はControlとする)、MGMTが拮抗されるための最小O6BG濃度の検討を行い、その濃度を用いて抗腫瘍効果の検討を行った。また、O6BG自体の毒性を確認するためにMGMTをsiRNAにてknock downも行い同様の検討を行った。この結果,驚くべきことにmsiRNA. O6BGのどちらでもMGMTを不活性化した場合、G1 arrestを引き起こす蛋白の有意な発現上昇が認められた。これがMGMT不活性癌の予後良好の原因と示唆された。MSI/KRAS/BRAF statusの異なる大腸癌原発巣miRNA網羅的解析による新規Biomarkerの探索を行い、予後不良関連因子の同定を行った。
2: おおむね順調に進展している
現在までに収集され、予後の確認できている大腸癌原発巣・肝転移巣200例以上を対象にMGMT promoter領域を中心とした新規Epigenetic Prognostic Biomarker候補群のメチル化解析を行い、retrospectiveに予後・再発・薬剤感受性・臨床病理結果との比較検討を行うことによって、Epigenetic Biomarker候補群のBiomarkerとしての意義の確認を行う研究に関してはMGMTの解析はすべて終了している。このため,達成度は50%と判定した。また,MGMT発現を認める大腸癌細胞株を選別し、O6BGの抗腫瘍効果の検討および既存殺細胞剤、分子標的薬との組み合わせによる新規大腸癌治療法の構築を行う研究に関しても,O6BGの抗腫瘍効果の検討は終了している。達成度は50%と考えている。
MSI/KRAS/BRAF statusの異なる大腸癌原発巣・肝転移巣を用いたmiRNA網羅的解析による新規Biomarkerの探索を行う研究であるが,これら候補因子は平成26年度に詳細な解析を行う予定である。また,平成26年度は,原発巣切除施行されたStageII・IIIかつ術後3年以上経過している症例およびStageIVを中心にMLH1, p16, MINT31, SFRP2, RASSF2, DCC, HPP1の解析を継続する予定である。MGMT発現を認める大腸癌細胞株を選別し、O6BGの抗腫瘍効果の検討および既存殺細胞剤、分子標的薬との組み合わせによる新規大腸癌治療法の構築を行う研究に関しては,O6BGだけでも十分な抗腫瘍効果を認めている。既存殺細胞剤併用も検討するが,O6BG単剤での適応を視野に入れたin vivo研究を行う必要がある。
大腸癌原発巣・肝転移巣サンプル収集およびGenetic/Epigenetic解析を行う中で、リアルタイムPCR、細胞培養に用いる抗体・試薬の購入を予定していたが、予定よりも少ない量で順調に結果が得られたために次年度繰越の研究費発生した。今後は、既存殺細胞剤の併用についての基礎実験,および新規抗腫瘍薬として期待されるO6BG単剤を用いたin vivo実験を行うことに費用がかかるために、繰り越した研究費を充てる予定である。
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