研究概要 |
胃癌細胞株の培養液中のlong non-coding (lnc) RNAの検索を行い、H19が術前・術後サンプルにおいて変化を認める事を同定した。このlnc RNAに関しては、これまでの実験手法と同様にplasma中での安定性を確認するとともに、術前・術後の変化の確認、健常者に比べて胃癌患者血漿中での上昇が確認され、胃癌に対するplasma biomarkerとして報告を行った。 また、胃癌細胞株(MKN45, KatoIII,HGC27)と正常繊維芽細胞株(WI-38)用いて、培養液中のmiRNA, lncRNAがPCR法を用いて探索可能である事を確認し、両細胞のfilter付きinsertを用いた共培養を行い、培養液中のRNA変化・細胞増殖などについて検討した。しかしながら、培養液中のRNAに関して有意と呼べるほどの差を検出することができなかった。この原因としてWI-38細胞に比較して胃癌細胞株の増殖が非常に早く、通常の細胞量での共培養では正常細胞からの影響が十分に反映されていない可能性が考えられた。 このため、現在増殖速度の速い正常中皮細胞(Met-5A)を購入し、また実験系として細胞の播種数を少なくし、正常細胞との共培養下での胃癌細胞株のcolony formation assayを施行中である。この実験系において、Met-5Aとの共培養によりMKN45でややcolony形成が抑制される傾向にあるため、この状況下での培養液中やMKN45のmiRNA, lncRNAの変化についてArray, PCRを用いて解析中である。 また培養液中のexosome分画については、十分量を回収済みであるためこれらを用いたふりかけ実験により、共培養と同様の効果が得られるかについても今後検討を進める。
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