糖尿病が腎尿細管キュビリンを介したアポリポ蛋白(Apo) A-I再吸収機構に及ぼす影響について検討した。キュビリンペプチドを固相化したELISA法にてApo A-Iは糖化修飾によりキュビリンとの結合能が低下することを明らかにした。ヒト近位尿細管上皮細胞HK-2を用いた検討においても糖化Apo A-Iは細胞への結合および細胞内取り込みが減少した。以上より、Apo A-Iは糖化によってキュビリンとの結合能が低下し腎における再吸収量が低下することが示唆された。高脂肪食負荷ラットを用いた検討においては、尿アルブミンの検出されないステージで実験したが、尿中にApo A-Iが検出されなかった。
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