ヒトが物を見る時、網膜上で像を結び、視神経で伝達される。その視覚情報が脳の視覚野で情報処理されて認識される(高次機能)。眼球や視神経の疾患への評価・検査は可能だが、高次機能の評価はできていない。そこで実用視力計による高次機能の評価の可能性を考えた。 実用視力計は1分間の連続視力の平均であり、日常の視力を表すと考えられるが、さまざまな要因に影響される。本研究では白内障術後患者の実用視力と、高次機能の評価として認知機能検査であるMini Mental State Examination(MMSE)の関連を調べた。結果、実用視力とMMSEは相関し、高次機能の評価に実用視力が有効な可能性が示された。
|