骨髄増殖性腫瘍(MPN)には,主として真性赤血球増加症(PV),本態性血小板血症(ET),原発性骨髄線維症(PMF)などが含まれる。我が国のMPN症例におけるJAK2遺伝子変異の陽性率はPVが94.4%,ETが51.9%,PMFが54.7%であった。PVと診断されたにも関わらずJAK2遺伝子変異が陰性であった5例について,JAK2の全エクソンを次世代シークエンサーで解析したところ,共通する遺伝子変異を2つ同定できた。これらはアジア人に特有のSNPであったが,アミノ酸の置換を伴わない変異であった。以上のことから,我が国におけるPV診断ではJAK2遺伝子変異検査が重要であると考えられる。
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