研究課題/領域番号 |
25860428
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
冨永 光俊 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50468592)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | かゆみ / 脊髄後角 / 後根神経節 / 神経伝達物質 / 電気生理 |
研究概要 |
本年度は、1) マウス脊髄におけるかゆみの神経伝達物質・受容体システムの同定と2)かゆみの伝達様式の比較検討をin vivo 細胞外記録法と薬理学・行動学的手法を用いて行った。ヒスタミン非依存性のかゆみ刺激であるクロロキンをマウスの足底部に投与した場合、それに伴う脊髄後角神経の発火はsubstance P(SP)受容体であるNK1Rアンタゴニスト(L733060)、グルタミン酸受容体の1つであるAMPARアンタゴニスト(CNQX)、ガストリン放出ペプチド受容体(GRPR)アンタゴニスト(RC3095)のコンビネーション脊髄投与で完全に抑制された。一方、ヒスタミン刺激による脊髄後角神経の発火はCNQXの脊髄投与で完全に抑制された。上記3種類のアンタゴニストを髄腔内投与することでクロロキン誘発性の掻破行動は有意に抑制された。CNQXの髄腔内投与はヒスタミン誘発性の掻破行動を有意に抑制した。従って、脊髄におけるヒスタミン依存性のかゆみ伝達にはグルタミン酸が最も重要であること、ヒスタミン非依存性のかゆみ伝達にはSP、GRP、グルタミン酸といった複数の神経伝達物質・受容体が関与することが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本成果を本年度中に論文化することが出来たこと、来年度の神経伝達物質受容体を標的としたアトピー性皮膚炎の難治性かゆみ治療薬の開発に向けて基盤が形成されたことにより、本研究はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、慢性掻痒モデルマウスに対する神経伝達物質受容体阻害剤のコンビネーション投与による止痒効果の検討を行う予定である。
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