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2014 年度 実施状況報告書

疫学研究における血縁構造化対策ガイドラインの作成

研究課題

研究課題/領域番号 25860436
研究機関東北大学

研究代表者

柴田 恭子  東北大学, 大学病院, 特任講師 (90535600)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード血縁構造化
研究実績の概要

本研究の目的である、集団における疾患の有病率、サンプルサイズ、血縁構造化の程度の大きさ、遺伝率の違いにより、表現型とリスク環境因子の関係性において、交絡因子としての血縁構造化の影響がどの程度あるか調べるために、先天性股関節脱臼(後期診断)(資料はWynne-Davies, 1970, In:Emery AEH(ed) Moderntrends in human genetics, Vol1., p316-338による)の先行研究データを利用し検証した。一般集団と血縁集団の比率を4:6, 2:8, 6:4で構成した血縁混合集団をサンプルサイズ100, 500, 1000, 5000で生成した。一般集団と血縁集団(1親等、2親等、3親等)それぞれについて表現型分布を正規分布で定義した。先天性股関節脱臼(Wynne-Davies, 1970)のデータから、1親等、2親等、3親等の表現型分布、遺伝力をそれぞれ算出し、まず、一般集団と血縁集団が混在する混合集団をつくり、もとの一般集団の表現型分布と混合集団の表現型分布の間でどの程度、分布に違いが生じるか、t検定を行った。その結果、もとの一般集団と血縁混合集団の表現型分布に有意な差はなかった(有意水準5%)。一般的に環境因子と遺伝子因子すべての効果は易罹病性として一つの変量に集約することができ、血縁構造を含む混合分布と一般集団の両者の表現型分布に差があれば、環境因子・遺伝因子の影響の大きさが違うことによるものと考えることもできるが、今回のアプローチでは、両者の分布自体に差異がみられなかったため、血縁構造の有無と環境因子・遺伝子因子の影響の大きさの間に関係性はない可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の研究計画にあげた4つのパラメータ(集団における疾患の有病率、サンプルサイズ、血縁構造化の程度の大きさ、遺伝率)について先行研究の先天性股関節脱臼(後期診断)(資料はWynne-Davies, 1970, In:Emery AEH(ed) Moderntrends in human genetics, Vol1., p316-338による)のデータを利用して検証を進めることができているため。

今後の研究の推進方策

先天性股間節脱臼(後期診断)に関する先行研究データを利用して行った検証結果からは、一般集団と血縁構造を含む混合集団の表現型分布に有意な差がみられなかったが、他の疾患にもとづくパラメータでは、異なる結果がでる可能性もあるため、時間がある限り様々な疾患のデータからパラメータ設定を行い、表現型とリスク環境因子の関係性において血縁構造が交絡因子としてどの程度影響しうるか、慎重に検討していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

学会発表を国内学会、国際学会の両方で行う予定であったが、国内学会の方で本研究内容に該当する学会がみつからなかったため、その分の旅費が未使用でおわったため。

次年度使用額の使用計画

平成27年度の学会発表の旅費にあてるほか、論文投稿・掲載に必要な場合にそれらに充当する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] The simulation of the confounding effect on cryptic relatedness for environmental risks in cohort studies.2014

    • 著者名/発表者名
      Kyoko Shibata, Akimichi Tatsukawa, Soichi Ogishima, Kazuro Shimokawa, Satoshi Nagaie, Naoki Nakamura, Jun Nakaya
    • 学会等名
      米国人類遺伝学会
    • 発表場所
      米国サンディエゴ
    • 年月日
      2014-10-18 – 2014-10-22

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公開日: 2016-06-01  

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