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2015 年度 実施状況報告書

疫学研究における血縁構造化対策ガイドラインの作成

研究課題

研究課題/領域番号 25860436
研究機関東北大学

研究代表者

柴田 恭子  東北大学, 大学病院, 講師 (90535600)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード血縁構造化 / 交絡因子
研究実績の概要

地域集団の未記録の血縁構造をどのように調整することが可能か、対象とする表現型の有病率、リスク環境因子の効果サイズ、血縁構造化の程度、サンプルサイズの観点で詳細に検討を行った。先天性股関節脱臼に関する文献データを用いて、集団の血縁構造が存在する場合と存在しない場合により集団の表現型の発症確率の推定に差があるか検討した。血縁構造化の程度を、全集団におけるサブ集団(血縁構造化を含まない一般集団、血縁構造化を含む集団)の混合割合の差として定義した。一般集団の正規分布と血縁者集団(1親等、2親等、3親等)の正規分布を4:3:3:0、2:4:4:0、6:0:2:2で混合分布を、サンプルサイズをそれぞれ100、500、1000、5000で生成し、これらの混合分布にもとづく表現型発症確率の推定と元の一般集団の表現型発症確率の推定に差があるか調べたところ、有意な差は見られなかった。
本研究の結果からは、血縁構造化の影響が大きいという結論はえられなかった。一方で、今後、他の条件下でデータを検証してより詳細な検討を行う必要性はある。そこで血縁構造化の影響を回避するためのツールとして血縁構造化評価による血縁構造化を除去するプログラムを構築した。本プログラムにより、血縁構造化の影響を検出し、交絡因子として問題となる血縁構造を除去し、評価を行うperlベースで実行可能な統合プログラムである。重回帰分析での傾きの平行性検定結果の出力機能と易罹病性の遺伝率を計算する機能を搭載した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の目的の一つであった血縁構造化の影響を回避するためのツールとして、血縁構造化の影響を検出し、交絡因子として問題となる血縁構造を除去し、評価を行うプログラムを構築できたため。また、一例として先天性股関節脱臼に関する文献データを用いて血縁構造化の影響がどの程度あるか検証した結果、問題となる影響はないことが明らかになったため、疫学研究における血縁構造化の影響を除去し対策ガイドラインを策定する必要性は低いといえる。

今後の研究の推進方策

本研究の結果は、すでに平成26年度に米国人類遺伝学会で学会発表を行ったため、その結果を論文化・投稿する予定である。

次年度使用額が生じた理由

論文作成し投稿したがrejectされたので、再度、若干の検証の見直し及び書き直しが必要であり、再投稿する際の投稿料が必要なため。

次年度使用額の使用計画

再検証のために必要な備品、再投稿するための経費として使用する。

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公開日: 2017-01-06  

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