本研究は日本人一般住民男性において、腹部単純CT画像から腎洞内脂肪の体積・面積を測定し、肥満指標、循環器疾患危険因子、腎機能等との関連を検討したものである。横断的分析結果により、腎洞内脂肪体積、面積ともに肥満指標と有意な正の相関関係を認め、血圧、血糖、中性脂肪と正の相関関係、HDL、eGFRと負の相関関係が示唆され、尿蛋白とは関連がなかった。またベースライン、追跡調査ともに腹部単純CT画像を得られた706人の検討では、4.7年の追跡期間で腎洞内脂肪体積、面積ともに有意に増加した。しかし今回の検討では測定者間の誤差が大きく、結果は過小評価されている可能性があり、測定系の確立に問題が残されている。
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